COVID-19が恒久的にもたらす変化のすべて 3/4

COVID-19が恒久的にもたらす変化のすべて
~トップクラスの有識者30名による~

 

=「ヒュッテ・はなこ」コメント=

コロナ禍が将来の生活やビジネスに与える影響について、米国の有識者へのインタビュー記事の和訳です。4回に分けて掲載予定の3回目です。

<原文タイトル>

www.fastcompany.com



<原文掲載日>
2020年4月20日

 

COVID-19が恒久的にもたらす変化のすべて 1/4 - ヒュッテ・はなこのブログ

COVID-19が恒久的にもたらす変化のすべて 2/4 - ヒュッテ・はなこのブログ

 

ヘルスケア業界は古くからある諸問題に直面する

クレア ノヴォロール博士 (Ada Health社 共同創立者およびチーフ医務員)

 

診察のサービスから遠隔治療まで、デジタル ヘルスケアツールの導入が急速に促進されている。世界中のヘルスケア組織がパンデミックへの対策の助けになるものとしてデジタル ソリューションに注目している。ヘルス テクノロジー企業は、この機会に手腕を発揮して保険支払い者の支援しようとし、保険提供者や患者も同様にテクノロジーに期待している。ヘルスケアに関するデジタル ソリューションが段階的に導入されていくことは確かで、この変化には長期的な将来性がある。ヘルスケア業界はコロナウイルスパンデミックに大きく影響をうけ、デジタル ヘルスケアテクノロジーは今後、業界内で不可欠な存在となっていくだろう。

パット コンブス (AWSヘルスケアおよびライフサイエンスサービス 全世界テクニカルリーダー)

 

医師たちが患者の完全な治療歴を把握する妨げとなる一番大きな問題は、システム間の相互運用性が不十分なことである。患者の受療の過程に沿ってデータと電子カルテを引き継ぐ際の妨げとなっているのだ。治療歴をまとめる作業は手動で行われ、時間がかかる作業である。しかし今、システムの根底にある問題を明らかにし修正する機会となる、重要な瞬間を迎えている。多くの研究者、医療システム、政府および企業が共に尽力し、データを持ち出しあって、COVID-19をより良く理解し戦おうとしているのだ。

 

ベス シーデンバーグ医学博士 (Westlake Village Biopartners社 創立業務執行パートナー)

 

事業継続のため、様々な地域の様々な事業者との、多様な外注契約が定着するだろう。万一(ヒトT細胞などの)供給網が崩壊する場合に備えて、ヒト組織および血液のサンプルが備蓄されるだろう。

 

アラ カッツ (Seed Health社 共同創立者および共同CEO)

 

偽情報がとりわけ蔓延している時、そして最近多くの場合がそうであるように、その情報が危険な内容の時、科学分野に従事する者たちが一丸となって、一般の人々に情報を伝え共有する際の基準を確認することが必須である。科学がいかに判断を周知し、方針をまとめ、そして生命を救うことができるか、COVID-19によって気付かされる。不確かな情報が広がっている現状への対策が、我々の将来にとって、ワクチンと同じくらい重要だろう。

 

ハリー リッター (ウェルネス専門家コミュニティ Alma創立者およびCEO)

 

メンタルヘルスに対する姿勢に関しては、非常に大きな変化が起こるだろう。社会が傷心と悲しみを共有したことで、ヘルスケア全体にとって不可欠なものとして、かつて無いほどにメンタルヘルスケアについて話すことへの理解と意欲が高まるだろう。すでに企業は、ストレス下での従業員の作業能力に、精神的な安定がいかに関係するかを実感している。結果として、従業員の福利厚生としてメンタルヘルスケアを優先することへの責任に、企業が気づくことが理想である。

 

ピーター チャップマン (量子コンピューティング会社 IonQ社 CEOおよび社長)

この先12~18か月のうちに、スーパーコンピューターおよびクラウドコンピューティングでは解決出来なかった問題を、量子コンピューターが日常的に解決するようになるだろう。人類が次にパンデミックに直面する時には量子コンピューターが、ウイルスとその人体内での相互作用をモデル化し、解決策を作動させるだろう、と期待している。そうすることで経済的ダメージや人々の苦しみを制限することができるだろう。

 

ベンチャー キャピタルは身をひそめる

 

デイビッド バレット (Expensify社 CEOおよび創立者)

 

COVID-19による危機は多くの企業の、不安定な弱点を急速にあぶりだしてきた。巨額の資金調達ラウンドや、高いバーンレートを条件とする戦略を拠り所とするテクノロジー企業が、特に大きく影響をうけている。テクノロジー企業は破綻の瀬戸際にいる。多くの企業では全面的な一時解雇に直面し、最終手段として買い手を探している企業もある。一方で、利益の出ている企業は倹約をしつつ、ほぼ通常どおりの経営を続けている。将来的には、投資家たちの「価値のある」企業についての考え方および条件が変わるだろう。投資家たちは、資金調達ラウンドや収益といった量的側面に注目する代わりに、企業の構成やチーム、文化、柔軟性、および採算性といった質的側面を、より重要視するようになるだろう。

 

ショーン パーク (ベンチャー プラットフォーム Anthemis社 CIOおよび共同創立者)

 

ファストマネーおよび”FOMO”による投資はCOVID-19によって突然停止された。ベンチャーキャピタル業界は低迷し、大勢に従う傾向には抵抗し、より堅固な適正評価と分析に再度関心が向けられている。テーゼ型の投資家は、1~2か月(あるいは3か月)の時間をかけてチームについて知り、ビジネスモデルや資本構成、市場について理解をした上で取引をまとめることができるだろう。

 


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